麹
麹室
清酒製造の基本は糖化と発酵という2つの理化学的、微生物学的反応によって成り立っていますが、この2つの反応が平行して行われているところが他の酒類との大きな違いとなっています。この2つのうち糖化の役割を果たすのが麹です。
麹は蒸米に麹菌を繁殖させて、米中のデンプンを分解してブドウ糖に変えるアミラーゼ、タンパク質を分解してアミノ酸にするプロテアーゼ、脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解するリパーゼ等を分泌して、酵母がアルコール発酵を行ったり、香りを生成するための材料造りの役割を果たしています。
製麹作業は温度、湿度の管理が出来る麹室(こうじむろ)の中で行われます。作業過程を下に示します。

引き込み 34〜36℃に冷却した蒸米を麹室へ入れます。

床もみ 引き込み後、全体の蒸米の温度が均一になるまでよく混ぜ、温度が下がらないよう山盛にして掛布で覆います。

切り返し 床もみ後、約10時間経過したときに蒸米の山を崩し、固まりをほぐします。これは麹の繁殖に伴う品温の上がり過ぎを防ぎ、更に酸素の供給を行うという目的です。切り返し後、また蒸米を山盛にして掛布で覆います。

盛り 切り返し後、約12時間が経過すると蒸米の表面に白い斑点が見られるようになり、品温は床もみ時より1〜2℃高くなります。麹菌が最も旺盛に繁殖する時期で、ここで品温を変化させないよう製麹用の箱に蒸米を移し、掛布を掛けます。

仲仕事 盛り後、数時間経過すると品温がまた1〜2℃上昇するため、蒸米をよく混ぜ箱一杯に引き伸ばして層を薄くして品温の上昇を防ぎます。

仕舞仕事 仲仕事後、約4時間経過すると、37〜39℃に品温が上昇するため、表面にギザギザの溝を作って水分の発散を促します。また品温の急上昇を防ぐため、箱に空気を取り込んで品温の調整を行います。

出麹 引き込みから約48時間、麹菌の繁殖した蒸米からはほんのり栗香が立ち上っています。蒸米を麹室から出して、乾燥した別室で放冷します。これで出来上がりです。

温度変化
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